【外国人求職者向け】日本で就労するためのビザ取得ガイド
2024.10.09
日本で就職を希望する外国人留学生にとって、ビザ(在留資格)の取得、更新、維持は非常に重要なステップです。ビザの手続きがスムーズに進まなければ、内定をもらったとしても日本で働き続けることが難しくなります。また、卒業後も就職活動を継続するためには、特定のビザが必要となります。このガイドでは、日本での就労に必要なビザ取得の流れ、更新手続き、失効リスクについて、具体的に説明していきます。
目次
そもそも在留資格とは?
日本には合計29種類の在留資格があります。それぞれの在留資格は、許可された範囲内でのみ活動が可能です。例えば、留学ビザでは勉強が主な目的とされており、フルタイムで働くことはできません。そのため、留学生が卒業後に日本で就職する場合、現在持っている「留学」ビザを「就労ビザ」に変更する必要があります。
就労ビザは、特定の職業に就くための在留資格です。たとえば、「技術・人文知識・国際業務」ビザは、主に技術職や知識労働、国際業務に従事する人が対象となります。このビザを取得するには、学んできた知識や技術が就職する企業で必要とされていることを証明する必要があります。
留学ビザから就労ビザへの変更
1.留学ビザからの変更手続きの概要
留学生が日本で就職するためには、まず在留資格を変更する必要があります。現在の「留学ビザ」から「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザへと変更します。ビザの種類は、学生の専攻と就職する職種によって決まります。たとえば、理系の学生であれば、エンジニアやプログラマーなどが該当します。また、文系の学生の場合、国際業務や翻訳、マーケティングなどが一般的な職種となります。
2.就労ビザの種類
- 技術・人文知識・国際業務ビザ: これは最も一般的な就労ビザの一つで、エンジニア、プログラマー、翻訳者、通訳者、マーケティング担当者などが該当します。このビザの取得には、大学や専門学校で学んだ内容と実際に就職する職種との関連性が求められます。
- 高度専門職ビザ: こちらは、特に高度な知識や技術を持つ専門職向けのビザです。学歴や職務経験、収入などの条件を総合的に判断して付与されるもので、より多くの在留期間や家族の帯同、永住権取得が容易になるなどの優遇措置が設けられています。
ビザ変更手続きの詳細
1.ビザ変更のタイミングと場所
内定が決まったら、できるだけ早くビザ変更手続きを開始する必要があります。新卒者の場合、4月に就職するためには、その年の1月頃から手続きを始めるのが理想的です。東京出入国在留管理庁では、12月から受付が可能となっています。手続きは、法務省出入国在留管理庁、または全国にある地方出入国在留管理局やその支局で行います。
2.提出書類
ビザ変更のために提出する主な書類は以下の通りです。
- ・在留資格変更許可申請書: ビザ変更を申請するための基本的な書類です。
- ・パスポートおよび在留カード: 申請者の身元を証明するために必要です。
- ・内定通知書または雇用契約書: 就職先から発行された正式な内定証明書が必要です。これにより、申請者が特定の職種に就くことが確認されます。
- ・学歴証明書: 大学や専門学校での学業に関する証明書。これは、学んだ内容が就職先の業務に関連していることを証明するために重要です。
- ・会社の登記簿謄本と財務諸表: 企業の安定性を証明するために必要な書類です。
3.審査基準
ビザの審査では、次のポイントが重視されます。
- ・学んだ内容と職務内容の一致: 留学生が学んだ内容と実際に従事する仕事が関連していること。
- ・給与条件: 就職先での給与が日本人社員と同等以上であること。
- ・企業の安定性: 雇用する企業が継続的に安定しており、雇用者に対して十分な支援を提供できること。
ビザの審査が通らなかった場合、就職自体が不可能になるため、企業と事前に十分な話し合いを行い、必要書類をしっかりと準備しておくことが重要です。
ビザの更新と失効について
1.ビザの更新
就労ビザは、通常1年または3年の有効期限が設けられています。就労を継続する場合は、期限が切れる前にビザを更新する必要があります。更新手続きは、再び出入国在留管理庁で行います。更新には、現在の就労状況が確認できる書類(給与明細、雇用契約書など)が必要です。また、企業側がビザ更新に協力してくれることが重要です。
2.ビザの失効
ビザが失効するケースとして最も多いのが、企業を退職した場合です。退職後3カ月以内に新しい雇用先を見つけられない場合、ビザが失効し、最悪の場合は日本からの出国が求められます。ビザを維持するためには、特定活動ビザを申請することも考えられますが、これは一定の条件を満たす必要があります。
卒業後の就職活動と特定活動ビザ
1.卒業後に内定がない場合の対応
在学中に内定を得られなかった場合でも、卒業後に引き続き就職活動を行うことは可能です。この場合、「特定活動ビザ」を取得することで、卒業後も最長1年間、日本に滞在しながら就職活動を続けることができます。申請には、就職活動の証拠(面接通知やエントリーシートの提出記録など)や、大学の推薦書が必要となります。
2.特定活動ビザの条件
特定活動ビザを申請するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。主な条件は以下の通りです。
- ・大学または大学院の卒業生であること
- ・卒業後も就職活動を続けていること
- ・大学からの推薦書があること
- ・専門学校卒業生の場合、専攻と関連性のある業務に就くこと
さらに、経済的な支援が継続されていることを証明するために、預金通帳や送金証明書なども提出が求められます。
内定後の特定活動ビザの活用について
<次年度入社の場合の対応>
9月卒業の学生や、翌年4月入社の内定者が多い場合、内定後すぐに働けないケースがあります。このような場合でも「特定活動ビザ」を利用して、卒業後の一定期間、日本に滞在することが可能です。企業側は、内定者がビザを失効させないよう、定期的に連絡を取る義務があります。
ビザ手続きの注意点
1.書類の準備とタイミング
ビザの手続きには、多くの書類が必要です。また、審査に時間がかかるため、書類の不備や手続きの遅れが、ビザの取得や更新に影響を及ぼすことがあります。書類は早めに準備し、企業とも十分に連携をとることが重要です。
2.法務省への確認
ビザに関する法律や規則は随時変更されることがあるため、常に最新の情報を確認することが重要です。法務省や出入国在留管理庁の公式サイトを定期的にチェックし、必要に応じて法務省への問い合わせを行うことをお勧めします。
まとめ
日本での就労ビザの取得、更新、失効には、複雑な手続きと厳格な審査が求められます。就職を希望する外国人留学生にとって、ビザの申請手続きは、就職活動の一環としてしっかりと計画を立てるべき重要なステップです。卒業後も継続して日本で働くためには、早期の準備と正確な書類の提出が求められます。また、ビザの失効を防ぐために、常に就職状況を管理し、新しい雇用先を早急に見つける努力が必要です。
このガイドを参考に、しっかりとビザ手続きを進め、日本での就職活動を成功させましょう。
参考:
出入国在留管理庁(Immigration Bureau of JAPAN)「在留資格一覧表」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/qaq5.html
東京外国人雇用サービスセンター
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-foreigner/ryugakusei/zairyushikaku_henkou_tetsuzuki/q_38_a2s.html
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