技術者派遣で働くメリットとデメリットについて
2024.09.30
日本の企業でスキルを活かしながら働きたいと考える外国籍のエンジニアの皆様にとって、技術者派遣という働き方が一つの選択肢となっています。技術者派遣制度では、多くの企業で経験を積む機会を得られる一方、特有の課題にも直面する可能性があります。本記事では、外国籍のエンジニアの方々が日本で技術者派遣として働くメリットとデメリットを詳しく解説し、成功のためのポイントについても紹介させていただきます。
製造業における技術者派遣として大手企業は、パーソルクロステクノロジー社、テクノプログループ、アウトソーシングテクノロジーという会社名はよく聞くのではないでしょうか?上記以外にも、大手、中小の技術者派遣企業は数多くあります。企業によって、処遇面や、案件、プロジェクトの選択肢などは大きく変わりますので、ご自身のキャリアに繋がる会社を選ぶことが大切です。
こちらの求人サイトに、外国籍の機械・電気設計エンジニアを積極的に採用している技術者派遣企業やメーカーをご紹介しています。JOBs Japanでは、メーカーや技術者派遣企業の求人をご紹介しており、各企業のメリット・デメリットをお伝えできますので、日本でのキャリアアップを考えている方は、ぜひご相談ください。
目次
日本国内における技術者派遣とは?
そもそも技術者派遣と正社員の違いについてですが、日本における技術者派遣とは、エンジニアが派遣会社に雇用され、派遣先企業で働く形態のことを指します。派遣エンジニアは、特定の企業に所属せず、派遣会社が取り扱うさまざまな企業やプロジェクトに派遣されるため、多岐にわたる業務を経験できるという特徴があります。
技術者派遣の場合、雇用契約は派遣会社との間にあり、給与も派遣会社から支給されます。派遣エンジニアは派遣先企業で働きますが、その派遣先の企業(主にメーカーが多い)の正社員ではないため、待遇や労働条件に違いが生じることが多いです。
技術者派遣企業で働く・働こうと考えている外国人エンジニアが注意しておくべきポイント
1 . (特に中小規模の派遣会社の場合)、プロジェクトの期間が短く、希望する技術や経験が積めないことがある
3ヶ月以内や、〜6ヶ月間のものも多く、プロジェクトが頻繁に変わるため、スキルアップをするのに限界があります。しっかりと経験を積んでいくには、1年単位で参画できる案件が良いでしょう。各プロジェクトの期間については、技術者派遣企業の規模によっても異なるので、事前に面接で確認をしましょう。
2. 派遣企業によっては、案件がない場合(待機期間中)、給与(一部手当て)が減ってしまうこと。
大手の技術者派遣会社でも、おおよそ20%減ったり、中小の技術者派遣企業の場合、50%ほど減ったりと、企業によって変動があります。もちろん待機期間中も給与額100%と案件参画中と変わらない企業もあります。インターネットで求人を検索する場合、このような情報は掲載されていませんので、面接で直接確認するしかありません。
3. 希望とは異なるプロジェクト案件にアサインされてしまう
これまで転職相談があったケースとしては、電気設計のエンジニアとして入社したものの、実際にアサインされるプロジェクトは、機械分野や、組み込みソフトの開発といったようなケースがありました。こちらの方は、母国での電気設計の経験を活かし、電気設計ポジションへ転職したいとお話しされていました。このように、自分のキャリアを考え、どのような分野、技術を身につけたいか、活かしたいかを明確にした上で、仕事を探しましょう。
4. 引っ越しが必要、希望とは異なるエリアにアサインされてしまうケース
また、エリアについて、引越しの場合もあります。全国に拠点のある技術者派遣会社の場合、「エリア限定社員」というパターンと、「全国転勤社員」というパターンがあります。
エリア限定社員だと、自宅から通える通勤圏内の派遣先にアサインされます。全国転勤前提の場合は、自宅周辺に派遣先の案件がない場合は、それがあるエリアへと引っ越しする可能性があります。そのため、どうしても引っ越しが難しいという場合は、事前にお伝えするか、引っ越しがない求人を探しましょう。また、引越し時の費用負担や住宅補助がどうなるかも企業によって異なるので、面接で確認しておきましょう。
外国人エンジニアが技術者派遣会社に入社するメリット
1.多様な業界やプロジェクトに参画できる
技術者派遣の大きな魅力の一つは、さまざまな業界やプロジェクトに関与できることです。派遣先が変わるたびに新しい業務内容に携わることができ、自分の専門分野だけでなく、幅広いスキルや知識を獲得できます。例えば、製造業、IT、建設、通信など、さまざまな業界での実務経験を積むことができるため、キャリアの幅を広げる機会を得ることができます。
2.日本企業での貴重な経験と文化理解の機会
日本企業で働くことで、日本のビジネス文化や慣習に直接触れることができます。技術者派遣は、日本の企業や職場文化を学ぶ機会を提供し、異文化コミュニケーション能力の向上にも寄与します。多くの日本企業での実務経験を積んでおくことで、日本企業独特のビジネスマナーや日本企業のカルチャーへの理解も深めることができます。
3.スキルアップやキャリアの幅を広げるチャンス
派遣エンジニアとして働くことで、多様な技術やツールを学び、スキルアップする機会が増えます。特に新しい技術が次々と登場する現代では、柔軟に異なるプロジェクトに関与することで、市場で求められる技術を迅速に習得できます。また、異なる企業文化や業務プロセスに触れることで、柔軟な対応力や問題解決能力も向上します。
技術者派遣で成功するためのヒント
契約内容をしっかり確認する
技術者派遣として働く際には、派遣契約の内容をしっかり確認することが重要です。給与、勤務時間、残業代、福利厚生、派遣先での業務内容などを明確に把握し、自分の期待に合った条件であるかを確認することが求められます。また、上記でピックアップした4つのデメリットについても事前に面接中に確認・理解しておくことで、予期せぬトラブルを避けることができます。
日本語力の向上と文化適応の重要性
外国人エンジニアが日本で技術者派遣として成功するためには、日本語力の向上が非常に重要です。派遣先企業でのコミュニケーションが円滑に行われることで、チームに馴染みやすくなり、業務効率も向上します。また、日本のビジネスマナーや文化に対する理解を深めることで、派遣先での評価も向上するでしょう。オンライン日本語レッスンや文化研修などを積極的に活用すると良いでしょう。
参考:外国人社員がビジネス現場で独り立ちできるオンライン日本語研修
信頼できる技術者派遣企業の選び方
技術者派遣エンジニアとして働く際には、信頼できる会社を選ぶことが重要です。派遣会社のサポート体制や派遣先の質、契約条件の透明性を事前に確認しましょう。評判の良い派遣会社を選ぶことで、トラブルを避け、より安定した労働環境を得ることができます。また、派遣会社とのコミュニケーションを密にすることで、問題が発生した際のサポートも受けやすくなります。
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まとめと外国人エンジニアに向けたアドバイス
技術者派遣として日本で働くことは、多様なプロジェクトに関与することでスキルを高め、キャリアの幅を広げることができる一方で、待機期間という雇用の不安定さや待遇の違いといった課題も存在します。重要なのは、自分にとって最適な働き方を見つけるために、事前にしっかりと調査し、信頼できる派遣会社を選び、契約内容を理解することです。
また、日本語力や文化適応力を高めることで、派遣先企業での評価を上げ、成功につなげることができます。技術者派遣は、エンジニアとしての経験を豊富にする機会であると同時に、自身のキャリアを発展させるための一つのステップです。柔軟な働き方を楽しみながら、日本でのキャリアを築くための道を模索していきましょう。