【外国人求職者向け】日本企業の給与や残業代について解説
2024.10.13
日系企業で正社員として就職を希望されている外国人エンジニアの方々から日本の給与事情について よく分からないと相談を受けることがあります。 日本では「見込み残業代」や「手取り」など海外の方々には少し馴染みのない仕組みがあるため、この記事では日本で働く予定のある外国人の方々向けに、日本の給与や残業代事情について解説していきます。
基本給と残業代の関係
日本の給与は、基本給がベースとなり、その上に各種手当や残業代が加算されます。残業代に関しては、日本の労働法で規定されており、通常の勤務時間を超えた労働には追加の賃金が支払われます。残業代は、時間外労働、休日出勤、深夜労働の3つに分類され、それぞれ異なる率で支払われます。
- 見込み残業代(固定残業代)
企業によっては、あらかじめ「○時間分の残業を見込んで支給する」という制度があり、これを「見込み残業代」と言います。この場合、実際に残業しなくても固定の残業代が支払われますが、見込み時間を超えた分は追加の残業代が支払われます。
- 時間単位・分単位の残業代
製造業の多くの企業では、実際に働いた時間に基づいて残業代が支給されます。例えば、1時間単位や15分、場合によっては分単位で計算されることもあります。時間外労働は通常の給与の1.25倍、休日労働は1.35倍、深夜労働は1.25倍の賃金が支払われます。
手取り給与と社会保障の天引き
給与の**「手取り」**とは、実際に銀行口座に振り込まれる金額のことを指します。基本給から、以下の項目が差し引かれます。
- 所得税
日本では、個人の所得に応じて累進課税が適用されます。毎月の給与からは「源泉徴収」という形であらかじめ税金が差し引かれます。 - 住民税
住民税は翌年の6月から毎月天引きされ、前年の所得に基づいて計算されます。通常は給与から直接天引きされます。 - 社会保険料
社会保険料は健康保険、年金保険、介護保険、雇用保険などが含まれます。企業と従業員が半分ずつ負担し、給与から自動的に引かれます。これらの保険は、病気や退職後の生活を支えるための重要なセーフティーネットです。
賞与(ボーナス)
日本の製造業では、多くの場合、年に2回(夏と冬)賞与が支給されます。賞与も給与と同様に、所得税や社会保険料が差し引かれます。賞与の額は業績や個人の評価に基づいて決まり、一定の基準をクリアすると支給されますが、税引き後の金額が振り込まれるため、実際に手にする金額は思ったより少なく感じることがあるでしょう。
住宅に関する手当と引越しサポート
製造業で働く外国人エンジニアにとって、住居に関するサポートは重要なポイントです。企業は以下のような手当やサポートを提供することが一般的です。
住宅手当・家賃補助
多くの製造業の企業では、従業員の住居に対して家賃補助や住宅手当を提供しています。これは特に地方都市での就業が多い製造業では一般的で、家賃の一部または全額が企業負担となる場合があります。具体的な補助金額は企業ごとに異なりますが、月々数万円から10万円程度の範囲で支給されることが多いです。
引越し手当
外国から日本への引越しや、日本国内での移動に伴う引越し費用を支援する「引越し手当」を支給する企業もあります。引越し費用の全額負担や、家具の購入補助など、海外からの移住者がスムーズに生活を開始できるようサポートしている企業も多く見られます。
まとめ
日本の給与制度は、基本給に加えて、残業代や各種手当、賞与があり、そこから税金や社会保険料が差し引かれて最終的な「手取り」が決まります。また、製造業の企業では住宅や引越しに関する手当も多く、外国人エンジニアの日本での生活を支える仕組みが整っています。給与の詳細を理解し、自分のライフプランをしっかり立てることが大切です。
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