外国人エンジニア採用のポイント|国籍別(中国、ベトナム、インド)の特性・利点・留意点を解説
2024.08.18
エンジニア不足が深刻化している日本では、多くの企業が外国人エンジニアの採用に取り組んでいます。しかし、国籍の異なる人材を採用することに対して、抵抗感を持つ経営者や採用担当者も少なくないでしょう。実際、日本で働く外国人には、特定の国籍に特徴が見られます。この記事では、日本で働く外国人エンジニアについて、特に労働人口の多い国々に焦点を当てて解説します。
日本で働く外国人エンジニアの国籍
外国人エンジニアの国籍を理解するために、参考となるのが「外国人雇用状況の届出状況表一覧」です。ここでは、2021年(令和3年10月末現在)のデータに基づき、日本で働く外国人エンジニアの国籍を考察します。参考:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」
専門的・技術的分野での在留資格における国籍
外国人エンジニアが日本で働くには、技術・人文知識・国際業務ビザの取得が必要です。このビザを持つ外国人の国籍別の人口は以下の通りです。
・中国: 100,551人
・ベトナム: 61,116人
・韓国: 25,155人
・ネパール: 16,756人
・フィリピン: 8,083人
・インドネシア: 4,169人
これらのデータから、中国人労働者が圧倒的に多く、次いでベトナム、韓国が続くことが分かります。欧米からの就労者は比較的少なく、中国、ベトナム、韓国が上位を占めています。
製造業における国籍
次に、製造業で働く外国人の国籍を見てみましょう。
・ベトナム: 161,869人
・中国: 80,753人
・フィリピン: 65,271人
・ブラジル: 55,231人
・インドネシア: 20,255人
・ネパール: 12,970人
・ペルー: 11,591人
製造業では、ベトナム人が圧倒的に多く、中国が次いでいます。
製造業の分野でエンジニアを採用する際は、ベトナムや中国の人材を中心に考えることが適切でしょう。
ITエンジニアの国籍
IoTの普及に伴い、ITシステム開発や基盤系開発の人材需要が高まっています。
そのため、ITエンジニアについても触れておく必要があります。情報通信業に従事する外国人の就労人口は以下の通りです。
・中国(香港含む): 33,533人
・韓国: 9,961人
・ベトナム: 4,790人
・フィリピン: 1,797人
・ブラジル: 849人
・インドネシア: 663人
情報通信業では、中国に次いでベトナム、韓国の順に多いことが分かります。ITエンジニアの採用においては、中国だけでなくベトナムの人材にも注目することが重要です。また、近年ではIT大国のインド人エンジニアも年々増加しており、2024年には上位国籍にランクする見通しです。
外国人エンジニアの国籍別特徴
中国人エンジニア
中国は多民族国家であり、文化の壁を超えたコミュニケーションが求められる環境です。日本語能力に優れた中国人ITエンジニアは多く、スキル習得にも熱心で、採用すれば職場に良い影響を与えることが期待できます。しかし、転職が一般的な文化の中で仕事をしているため、転職をキャリアアップと考える傾向があります。採用時には、これらの文化的背景を理解することが重要です。
ベトナム人エンジニア
ベトナムはエンジニア育成に力を入れており、技術レベルの高い人材が多くいます。ベトナム人は日本に親しみを持つ一方で、大陸的な気質もあり、自己主張が強いことがあります。日本で働いた経験がある人材も多く、日本企業には有利な採用市場です。ただし、日本語力にはばらつきがあり、転職に前向きな傾向があるため、注意が必要です。
インド人エンジニア
インド人材の特徴としては、上昇志向、前向きである点が挙げられる。精密機械の分野では日本はまだリスペクトされる立場にあり、「海外で働きたい。経験を積みたい」と考えているインド人エンジニアの中には、日本の製造業を希望する人材も少なくありません。
また、インド人は社交的で柔軟な性格が特徴で、異なる文化や背景を持つ人々と日常的に接することで広い視野と柔軟な思考が養われています。これにより、日本の職場に新しい視点や活力をもたらすことが期待され、インド人エンジニアの積極性と日本人の慎重さが融合することで、バランスの取れたチームを形成する可能性があります。
まとめ
日本で働く外国人は、その地理的な要因から、アジア圏の人材が多く見受けられます。特に、中国、ベトナムからの人材は、エンジニアとして優れた資質を持っています。日本企業がこれらの国から人材を採用する際には、それぞれの国の事情を理解した上での慎重な判断が求められます。
ここまでの記事で外国人エンジニアの雇用についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてお読みいただけると幸いです。
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