外国人エンジニアの採用のメリットとデメリットとは
2024.08.11
機械・電気エンジニアやITエンジニアの採用市場では、人材不足が深刻化しており、企業間での激しい競争が続いています。この人材不足が事業の停滞や既存従業員への負担増といったリスクを引き起こしており、企業にとっては看過できない問題となっています。
このような状況下、多くの企業が新たな人材確保の方法を模索する中で、外国人エンジニアの採用が注目を集めています。しかし、外国人エンジニアの採用は本当に人材不足を解消する切り札となり得るのでしょうか?ここでは、外国人エンジニアを採用するメリットとデメリットを解説していきます。
▼高まる外国人エンジニアの需要:2024年に過去最高
エンジニアの採用競争が激化する中で、外国人エンジニアを人材不足解消の鍵として捉える企業が増えています。厚生労働省が公表している「外国人雇用状況の届出状況」によると、外国人エンジニアの雇用数は年々増加しており、2024年には過去最高を記録しました。
特に、2023年のデータでは、外国人労働者数が2,048,675人となり、前年から225,950人の増加が見られました。これは前年比12.4%の増加率で、前年の5.5%から6.9ポイントも上昇しています。「専門的・技術的分野の在留資格」を持つ外国人労働者が特に増加しており、機械・電気エンジニアやITエンジニアの採用も着実に進んでいることがうかがえます。国内の採用市場を考えると、外国人エンジニアの需要は今後も増加が見込まれるでしょう。
▼外国人エンジニアを採用するメリット・デメリット
国内のエンジニア不足対策として外国人採用に注目が集まっている現状を踏まえ、次に、外国人エンジニアを採用するメリットとデメリットについて見ていきましょう。
【外国人エンジニアを採用するメリット】
外国人エンジニアの採用には、以下の3つのメリットがあります。
優秀なエンジニアの確保
日本人に限定せず、採用対象を広げることで、優れたエンジニアとの出会いが増え、採用成功の可能性が高まります。特定の技術分野では、日本人エンジニアよりも外国人エンジニアの方が採用しやすい場合もあり、国内市場での競争を避けることができます。
グローバルな開発環境の構築
外国人エンジニアの採用は、社内のグローバル化を促進します。彼らと共にグローバルなチームを形成することで、最新の海外技術やITトレンドを取り入れることが可能です。また、将来的な海外展開や海外顧客向けサービスの構築にも役立ちます。
社内の活性化
異なる文化や価値観を持つ外国人エンジニアの採用は、チームに新たな視点をもたらし、刺激を与えます。多様性のある環境は、従業員のモチベーション向上や新しいアイデアの源泉となり、組織全体の活性化にも繋がるでしょう。
【外国人エンジニアを採用するデメリット】
一方、外国人エンジニアの採用には以下のデメリットが考えられます。
コミュニケーションコストの増加
優秀な人材を採用しても、文化や仕事の習慣の違いから意思疎通に時間がかかることがあります。日本語が話せないエンジニアの場合、ブリッジ役となる人材の確保や、外国人エンジニアへの日本語教育、日本人スタッフへの英語教育が必要になる場合もあります。
就労ビザの取得手続き
外国人が日本で働くためには、就労可能な在留資格(ビザ)が必要です。エンジニアとしての就労ビザを取得するためには、法令で定められた要件を満たし、申請書類を整えて審査を受ける必要があります。ビザ取得には手間や時間、コストがかかることを理解しておく必要があります。
転職サイクルの速さ
海外では、スキルアップやキャリアアップのために頻繁に転職を行うことが一般的です。外国人エンジニアを採用する際には、こうした価値観の違いを理解し、早期に転職されるリスクを念頭に置く必要があります。また、日本語力が問題で職場に溶け込めなかったり、日本語のコミュニケーションが問題で離職につながるケースも少なくありません。
まとめ
労働人口の減少や産業構造の変化が進む中で、機械・電気エンジニアやITエンジニアを中心とした人材不足が深刻化しています。このような状況において、外国人エンジニアの採用が注目を集めています。
エンジニア人材の需給ギャップは今後さらに拡大することが予想され、外国人エンジニアの存在は欠かせないものとなるでしょう。企業がこの変化に対応し、未来を見据えた取り組みを進めることが求められています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。このコラムが、Jobs Japanへのご興味をお持ちいただくきっかけとなれば幸いです。採用市場に関する情報交換など、お気軽にご連絡ください。
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