ベトナム人機械・電気エンジニアを採用!特徴やデメリット、手法を解説
2024.06.03
「若くて実務経験のある機械・電気エンジニアが採用できない…」
という悩みを抱えているものづくり業界の人事担当者の方は多くいらっしゃるでしょう。
そもそも日本は工科系の学生が少なく、工科系学部を卒業してもITなど製造業以外の業界に就職することが多いなどの理由で、機械・電気エンジニアの数は少なくなっています。
若くて優秀な方も一定数はいらっしゃいますが、そういった人材は高年収をオファーできる一部の大手企業に獲得されてしまっているのが現状です。
そういった事情の中で、実はいま外国人機械・電気エンジニアの採用を選択される方も増えています。
特にベトナムに関しては、ハノイ工科大学など優秀な工科大学が多く存在するためハイレベルな人材が多く、機械工学・電気電子を専攻した人材が多いので、外国人採用を行う際の人気な国となっています。
今記事では、外国籍機械・電気エンジニアに特化した人材紹介サービス「Monozukuri JP」を展開する弊社が
・ベトナム人エンジニアの特徴
・ベトナム人機械・電気エンジニアを採用するメリット/デメリット
・雇用するときの就労ビザの申請
・採用する際の注意点
・ベトナム人機械・電気エンジニアを採用する手法
・受け入れるときのポイント/注意点
など、人材探しから採用した後のポイントまで含めて解説していきます。
目次
ベトナム人機械・電気エンジニアの特徴
ベトナム人エンジニアの採用が増えている背景には、彼らが持つ独特の特徴があります。特に、日本で働く外国人労働者の中で、ベトナム人は全体の約2割を占め、中国人に次いで多い国籍です。ここでは、ベトナム人エンジニアの特徴を紹介します。
来日以降のキャリアイメージと年収面
製造業の機械設計エンジニアの場合はCADを使う事が多いですが、ベトナム人エンジニアの場合Auto-CADやSolidworksなどのCADツールのスキルを持つ人も多くなっています。
他にも機器の制御設計経験や電気回路、配置図、制御盤などの電気設計スキルを持つベトナム人エンジニアの方も存在します。
ベトナムに進出している日系メーカーの影響を強く受けており、そのため、現地工場で加工機械のオペレーション、機器のメンテナンス、顧客に導入した製品の保守サポートなどのサービスエンジニアとしての役割、などコアな部分の設計よりも、実際に現場で手を動かす、という業務経験を持つ方が多いです。中には、2D、3D-CADを使った図面作成や変更、設計周りまで経験のある方もいらっしゃいます。
そのような経験を現地でつみ、その後、将来的にエンジニアとしてキャリアアップを考え、日本で開発設計の業務までやりたいという思いで日本に来る、という流れが主です。日本でのファーストキャリアとしては、中小のメーカーの工場で加工オペレーター業務や現場補助からスタートし、入社時年収は、250万円〜300万円前半です。
その後、経験を積みながら、業務範囲の拡大、日本企業文化への適応、日本語レベルの向上などを通じ、キャリアを形成していきます。例えば、下記の図で、タイプ1の人材は、現場補助や加工オペレータを数年経験し、その後、給与をはじめとした処遇面改善やスキルアップを目指し転職を希望している人材像となります。
タイプ2、タイプ3と2D設計、3D設計を経験しながらスキルアップを図っていきます。
その結果、来日後、経験を積み、3D CAD設計や設計変更などのより高度な業務経験がある場合は420万円~600万円と比較的高額な年収となります。
参考:https://topdev.vn/TopDev_VietnamITMarketReport_TechHiring_2022_EN.pdf
日本語力|製造業の専門用語は追加で研修を行う
独立行政法人国際交流基金の調査によれば、2021年度のベトナム人日本語学習者数は169,582人で、世界で6番目の多さを誇っています。東南アジアでは、インドネシアとタイに次いで3位です。
ベトナムは世界的にも日本語学習が盛んな国と言えるでしょう。
ただし、全体的に見て、日本語を流暢に話せるエンジニアはまだ少数です。
そのため、日本語が必要とされる業務にベトナム人エンジニアを採用する際には、事前に日本語スキルを確認することが重要です。
ただ、製造業の現場でしか使わないような日本語は知らないため、追加で研修が必要。
例えば「呼び径」「ポンチ絵」「オイルシール」などの機械設計に関する用語や、「アイソメ図」「三斜」「切土」などCADに関する用語など。
こういった製造業の専門用語に関しては、追加で日本語研修を行う必要があると留意しておきましょう。
一般的なビジネス日本語研修では、ビジネスコミュニケーションの基礎や敬語の使い方、職場内でのコミュニケーション、社内外での打ち合わせなどの基本的な内容がカバーされます。
しかし、特定の企業で頻繁に使われる専門用語や、一般的ではない単語についての研修は稀です。
そのため、「ビジネス日本語の研修を受けた」と言っても、そういった特定の語彙に関しては別途教育の機会が必要であることを認識しておく必要があります。
英語力|日本より高い
「EF英語能力指数2022(EF EPI 2022)」によると、ベトナムは非英語圏の112カ国中60位にランクされ、「標準的」と分類されています。
一方、日本は同ランキングで80位に位置づけられ、「低い」カテゴリーに分類されています。この結果から、ベトナム人の英語能力は日本人よりも高いと言えますが、世界的に見れば上位には位置していないことが分かります。
そのため、ベトナム人エンジニアを採用する際には「日本語が話せなくても英語ならコミュニケーションが取れるだろう」と考えるのではなく、事前に日本語・英語共に能力を十分に確認してから採用する必要があるでしょう。
参考:https://www.ef.com/assetscdn/WIBIwq6RdJvcD9bc8RMd/cefcom-epi-site/reports/2022/ef-epi-2022-japanese.pdf
文化面の親和性|真面目で勤勉、日本企業と相性が良い
ベトナム人は一般的に「真面目で勤勉である」という日本的な文化を持っていると言われています。これは、日本の企業文化との相性が良いと考えられる要因の一つです。
一方で、ベトナム人は「思ったことは包み隠さず言う」という欧米的な文化も持っており、日本のように間接的なコミュニケーションを好む文化とは異なる面もあります。
このため、ベトナム人エンジニアとのコミュニケーションでは、直接的な表現に慣れることが大切です。
ちなみに、日本とベトナムは長い友好関係を築いており、ベトナム人は日本に対して好感度と文化的な親和性が高い傾向があります。日本の経済援助(ODA)や日本のテレビ番組などが、この親日感情を育んできました。
多くのベトナム人が日本への興味を抱き、日本企業での働く意欲が高いことは、採用担当者にとってプラスの要因です。
また、文化的な共通点も存在し、円滑なコミュニケーションが期待されます。
ベトナムの若者層は、日本の経済援助(ODA)がベトナム社会に貢献したことや、日本のテレビ番組を通じて日本に対する好感を持っています。
この親日感情は、ベトナム人が日本企業で働く際に、日本文化やビジネス環境に対する理解を助けています。
ベトナム人機械・電気エンジニアを採用するメリット3つ
ベトナム人機械・電気エンジニアの採用は、多くのメリットがあります。
ここでは、その中でも特に重要な3つのメリットを紹介します。
若手人材が確保できる|平均年齢は約31歳
ベトナム人は一般的に「真面目で勤勉である」という日本的な文化を持っていると言われています。これは、日本の企業文化との相性が良いと考えられる要因の一つです。
一方で、ベトナム人は「思ったことは包み隠さず言う」という欧米的な文化も持っており、日本のように間接的なコミュニケーションを好む文化とは異なる面もあります。
このため、ベトナム人エンジニアとのコミュニケーションでは、直接的な表現に慣れることが大切です。
参考:https://www.jetro.go.jp/world/reports/2021/02/db6cdef49e854b9a.html
優秀な機械・電気エンジニアを採用可能|優秀な工科大学が多い
ベトナムにはハノイ工科大学、ダナン工科大学、ホーチミン工科大学といった優秀な工科大学が多く存在します。
これらの大学を卒業したエンジニアは、高い技術力と専門知識を持っていると言え、このようなIT関連の教育環境が整っていることもベトナムに優秀層が多い理由となっています。
日本には機電系の大学が少ない上に、日本では情報系の学部専攻が増え、IT分野に進む人材が増えたことから、相対的に製造業を就職先として選択するエンジニアは減少傾向にあります。
そういった状況では、ベトナム人エンジニアを積極的に採用することが採用課題の解決には合理的であると言えるでしょう。
PLC制御設計などを外注に出している企業の場合「内製化したい」ニーズがあり電気エンジニアの採用を強化しているなどの事情も考慮すると、積極的にベトナム人などの外国人エンジニアを採用していくべきだと考えられます。
外国人ものづくりエンジニア専門の人材紹介サービスである「Monozukuri JP」でも、ベトナムの工科大学出身の方をご紹介させていただいた実績がございます。
ベトナム出身の機械エンジニアご採用、設計開発経験、日本語N2レベル、英語力お持ち
ベトナム出身のメカ設計エンジニアご採用、各種機器の制御設計経験、450万円オファー、日本語N1レベル
若手・実務経験ありなど採用困難な層を獲得できる
そして、日本人では採用が困難な特徴をもつ人材を獲得できるのもメリットです。
「実務経験がある」「年齢層が若い」といった特徴を持つエンジニアが採用しにくい人材にあたります。
例えば電気回路設計の場合は、デジタル回路とアナログ回路の設計経験。電気設計の場合は電気回路、配置図、制御盤の設計業務。
こういった機械・電気に関する実務経験があるエンジニアは、日本人では既に高年収をオファーできる企業に獲得されてしまっているのが実情です。
また、上述したように日本は少子高齢社会であるため、年齢層が若い人材の母数が少なくなっています。
しかし、ベトナムの平均年齢は31歳。
若手層のボリュームが日本よりも格段に多いため、若年層の採用が可能です。
また、採用に強みを持つ一部の企業を除き、外国人エンジニアの採用はまだまだ日本では浸透していません。
そのため、採用の競争も日本人ほど激しくなく、日本人では採用が困難なスキルを持つような人材も、外国人エンジニアを採用することで比較的簡単に獲得することが出来ます。
外国人ものづくりエンジニア専門の人材紹介サービスである「Monozukuri JP」でも、電気設計の経験があるベトナムご出身の方を紹介させていただいた実績がございます。
ベトナム出身、電気設計エンジニアご採用、電気回路、配置図、制御盤の設計業務、PLC経験
ベトナム人機械・電気エンジニアを採用するデメリット3つ
ベトナム人エンジニアの採用には多くのメリットがありますが、一方で注意すべきデメリットも存在します。
1. 日本人よりも時間的コストがかかる|在留資格の確認・申請など
外国で生活することは容易ではありません。
コミュニケーションの問題や孤独感から帰国してしまう外国人も少なくありません。
「せっかく優秀なエンジニアをコストをかけて採用したのに、すぐに退職してしまった」という事態を避けるために、日本で働く際の問題点や日常のコミュニケーションでの困りごとについて、定期的にヒアリングを行うことが重要です。
2. さまざまなサポートが必要|時間や上下関係に対する感覚が少し異なる
外国で生活することは簡単なことではありません。コミュニケーションがうまくいかず、孤独感を感じて帰国してしまう外国人も少なくありません。
「せっかく優秀なエンジニアをコストをかけて採用したのに、すぐに退職してしまった」といった事態を避けるためにも、日本で働いていて何か問題を感じていないか、日常のコミュニケーションで困ったことはないかなどのヒアリングを定期的に行う必要などもあるでしょう。
ベトナムから呼び寄せて採用を行う場合、住居探しや生活面でのサポートが必要になることもあります。こうしたメンタルや生活面でのサポートを提供することは、企業にとって追加の負担となる可能性があります。
また、文化的な違いも考慮する必要があります。日本人とは異なる時間感覚や上下関係、表現方法、評価基準など、文化的なギャップが存在します。とはいえ、日本の文化に合わせてもらうという意識ではなく、お互いが最も仕事をしやすい環境を作るための配慮が求められます。
他にも「工程内不良品」「金型」「パレット」など製造業の専門用語についても追加で教育を行う必要があると考えておきましょう。
3. 長く働いてもらうための工夫が必要
ベトナム人は勤勉で真面目と評価されることが多く、日本と同様に同じ会社に長く貢献してくれると考えられがちです。
しかし、実際にはベトナムの離職率はかなり高い傾向にあります。ベトナムの転職サイト「anphabe.com」のアンケート調査によると、2019年度のベトナム国内の離職率は約24%です。さまざまな仕事を経験したいという理由で頻繁に転職する傾向があるためです 。
日本とは異なり、一つの職場に長く留まるという考え方はあまり一般的ではありません。そのため、ベトナム人の人材を長期的に確保するには工夫が必要となると考えられます。
ベトナム人機械・電気エンジニアを採用する時の注意点
ベトナム人エンジニアの採用には多くのメリットがありますが、採用を成功させるためにはいくつかの注意点があります。
以下では、契約面、待遇面、サポート面の3つの観点から注意すべき点を解説します。
採用時に目標とする日本語力はさまざま
外国人エンジニアを採用する際、日本語能力の目標設定は企業にとって重要なポイント。
一般的に、日本語能力の評価には日本語能力試験(JLPT)やBJTビジネス日本語能力テストが利用されますが、これらの試験は主に「会話以外」の能力を測るため、N1やN2の資格を持つ外国人でも、実際の会話がスムーズに行えない場合は多くあります。
また、N2を取得してから時間が経過している場合、実際の会話レベルはN2よりも低いN3レベルに相当することが多いです。
製造業に関しては日本語の問題があると人命に関わることもあるため、そういったケースは追加で研修を行う必要があるかもしれません。
このような背景から、弊社が運営する日本語オンラインスクールでは「会話力」に焦点を当てた独自の「10段階の会話レベル」を設定し、会話力を客観的に評価しています。
大手企業では、採用時の日本語会話レベルとしてレベル8以上を求めることが多い一方で、中小の企業ではレベル5〜7を目安とすることが多く、実際に採用してからコミュニケーションの課題が生じることがあります。
重要なのは、該当社員が現在どの会話レベルにあり、どのレベルを目指すべきかについて、社内や現場の上司と共通の認識を持つこと。目標設定は企業によって異なりますが、多くの場合、最終目標として会話レベル7、8(JLPT N2レベル相当)を設定するケースが多いです。
参考までに、弊社が運営する日本語オンラインスクールでレッスンを行っている生徒さんの会話レベルが実際にわかる動画をここに掲載しておきます。この動画が「どのレベルの日本語レベルを目標とするか」を決定する際の目安になれば幸いです。
会話レベル4、製造業の技術者(インドネシアご出身)
会話レベル5、ITシステム開発の技術者(ベトナムご出身)
会話レベル6、ITシステム開発の技術者(中国ご出身のエンジニア)
会話レベル8、ITシステム開発の技術者(中国ご出身のエンジニア)
弊社では、法人向けのビジネス日本語教育サービスも展開しています。外国人エンジニアを採用する際にに気になる「日本語の教育はどうすれば良いのか」「うちは専門的な用語を多く使う職場だが大丈夫なのか」などの日本語力の悩みを一気に解決することが可能ですので、気になる方はぜひご相談くださいませ。
契約面の注意点|契約・規則について伝える
外国人を採用する際には、日本人以上に給与や目標、評価基準などを明確に説明し、入社後のトラブルを防ぐことが重要です。
ベトナムでは、日本の「就活」のような概念がないため、就職活動の段階で日本企業の契約や就業規則、文化について十分に理解しているとは限りません。
そのため、事前にこれらの点について詳しく説明することが求められます。
待遇面の注意点|ベトナムの方は給与・キャリアを重視する
日本で外国人を雇用する際には、日本の労働基準法に基づいた賃金と労働日数を遵守する必要があります。
また、ベトナム人エンジニアにとって日本の生活は高コストであることが多いため、適切な給与設定が重要です。生活面での支援や住宅手当の提供も、円滑な採用と長期的な定着に繋がります。
また、ベトナム人が重視するポイントは「給与」と「キャリア」です。
ベトナム人エンジニアを長期的に確保するためには、成果とスキルに応じた給与体系やキャリアアップの機会を提供することが重要です。
例えば、定期的なパフォーマンスレビューやスキルアップのトレーニングを導入し、その結果に基づいて給与や役職を決定する制度を整備することで、ベトナム人エンジニアにとって魅力的な職場環境を作ることができます。
また、採用段階でこれらの評価基準を明確に伝え、「この会社では成果に基づいて給与やキャリアが向上する」と理解してもらうことが、入社後のモチベーション維持に繋がります。
サポート面の注意点|日本語やテト(旧正月)への配慮が必要
ベトナム人エンジニアの日本語レベルを考慮し、ゆっくり話す、難しい言い回しを避けるなどの配慮が必要です。コミュニケーションの誤解を防ぎ、よりスムーズな職場環境を作ることができます。
また、ベトナム人は家族との時間を大切にする文化があります。
特にベトナムの旧正月(テト)などの重要な時期には家族と過ごすことが重視されます。
これを理解し、帰国できるように休暇を配慮することで、従業員の満足度を高め、離職率を下げる効果が期待できるでしょう。
ベトナム人を雇用する際の就労ビザの申請について
ベトナム人エンジニアを採用する際には、適切な就労ビザの取得が必要となります。
ここでは、ベトナムから日本への呼び寄せと、日本在住の場合のそれぞれのビザ取得フローを説明します。
ベトナムから呼び寄せる場合
在留資格認定証明書の申請と交付
まず、勤務予定地を管轄する地方入国管理局で、会社が「在留資格認定証明書」の交付を申請します。申請から交付までには約1~2カ月かかります。この証明書は、外国人スタッフの仕事内容が「在留資格」の基準に適合していることを証明するものです。
ビザの手続き
交付された「在留資格認定証明書」をベトナムにいる外国人に郵送します。本人がこの証明書を持って日本大使館または領事館に行くことで、ビザの手続きを行います。
「在留資格認定証明書」の有効期間は3カ月以内に上陸申請をしなければ無効となるため、早めの手続きが重要です。
なお、製造業で働くエンジニアの場合ビザの種目は「技術・人文知識・国際業務」となります。
日本在住のベトナム人の場合
在留資格認定証明書の申請と交付
受入企業の担当者または行政書士が、居住予定地または受入れ機関の所在地を管轄する地方入国管理官署で「在留資格認定証明書」の交付申請を行います。申請から1~3カ月後に証明書が交付されます。
ビザの申請
外国人本人が「在留資格認定証明書」を自国の日本大使館または領事館に持参し、ビザ申請を行います。通常、申請から5日~2週間後にビザが届けられます。「在留資格認定証明書」の有効期限内に入国する必要があります。
就労ビザの注意点
エンジニア職で就労ビザを取得する際は、採用理由書に記載する業務内容と申請人の専攻内容が一致していることが重要です。
ビザの申請には、必要書類を作成し、入国管理局まで届け出に行く必要があります。ビザの通過率を上げたい、複数名分の申請を出したい、再申請のやり方がわからないという場合は、ビザ申請代行サービスを利用するのがおすすめです。
適切なビザ取得を行うことで、ベトナム人エンジニアの採用がスムーズに進みます。
こちらに、外国人エンジニアを採用する際のビザ申請・フローについて詳細をまとめてますので、気になる方はどうぞ。
ベトナム人機械・電気エンジニアを採用する方法
ベトナム人エンジニアを採用するためには、効果的な手法を選択し、適切なアプローチを行うことが重要です。以下では、ベトナム人エンジニアの採用におすすめの方法をいくつか紹介します。
採用手法 | 費用 | 手間 | サポート |
人材紹介 | やや高い | 少ない | あり |
Web求人サイト | 普通 | 普通 | なし |
自社サイト | 安い | 多い | なし |
SNS | 安い | 普通 | なし |
知人からの紹介 | 安い | 普通 | なし |
オススメは人材紹介サービスとLinkedInです。
外国人に特化した人材紹介サービスを利用することで、求めるスキルを持ったベトナム人エンジニアを効率的に探すことができます。
就労ビザの申請サポートも行っていることも多いため、採用プロセスがスムーズに進むでしょう。
逆に外国人の機械・電気エンジニアのようなニッチな領域に関しては、求人サイトを利用するのはおすすめできません。「求人を出しているが応募がこない…」というお話も良く聞きます。
人材紹介は専門のサービスを利用するため費用が必要になりますが、採用のために稼働する人事社員の人件費を考えると、むしろ人材紹介サービスを利用した方が安いというケースも多くあります。
弊社でも、外国籍ものづくりエンジニアの採用に特化した人材紹介「Monozukuri JP」を展開しています。ビザの申請などのサポートはもちろん、採用が決まった求職者には弊社が展開する日本語オンラインスクールの授業を無料で提供しています。
そのため、入社する段階ですでにビジネス日本語にある程度習熟した人材をご紹介することが可能です。
また、LinkedInもオススメです。
LinkedInの最大のメリットは「求人掲載側も無料で使える」こと。indeedも同じく無料ではありますが、課金しないと基本的には優先的に表示されない仕様となっています。
LinkedInを使用した外国人採用については、詳しくは以下の記事をご覧ください。
LinkedInを外国人採用に活用する方法|プロが教えるコツ
受け入れる時のポイント
ベトナム人エンジニアを採用した後、彼らが日本の職場で円滑に働けるようにするためには、いくつかのポイントがあります。特に、日本語教育の機会の提供と日本の文化や習慣の説明は重要です。
製造業の専門用語については追加で研修する
上述の通り、2021年度のベトナム人日本語学習者数は169,582人で、世界で6番目に多く、世界的に見ても日本語学習が盛んな国であると言えます。しかし、日本語を流暢に話せるエンジニアは少ないため、採用時に日本語スキルを事前に確認することが重要です。
日本語レベルが高いエンジニアでも、製造業の経験がない場合、業界特有の用語は理解していないことが多いです。例えば、電気設計や機械設計、CADに関する用語などです。
これらの用語に関しては、追加で研修を行う必要があると考えておきましょう。
日本の文化、習慣を明確に説明する|テト休暇などすり合わせが必要
ベトナム人に限らず、日本で初めて働く外国人にとって「有給休暇」や「代休」「振り休」などの制度は初めて聞くものです。これらの制度の存在だけでなく、その背景も含めて説明することで相互理解が深まります。
また上述の通りベトナムでは、旧正月(テト)に7日間程度の休暇を取ることが一般的です。日本にはテトがないこと、帰省する場合は有給休暇を取得する必要があることを明確に説明することが重要です。